花は紅なり、松前の春

      2017/11/01

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花は紅なり、松前の春

北の小京都と呼ばれる松前に咲く桜の季節がやってきます。
まず最初に冬桜が開花するのは4月の中頃。
それから普賢象の開花まで約1カ月。北の大地にも桜を愛でる時が流れます。

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息子の自分が言うのもなんですが、若い時は舞台に貸してくれと祖父に依頼があったほどの美人でした。
年老いても可愛いお茶目な人で、病院や介護施設でも可愛がられていました。
生前、まだ元気だった母親と旅行するのが大きな楽しみでした。
その楽しい旅の中でも松前城の桜はもっとも記憶に残るものでした。

北海道の場合、距離を走るので、多くはバスツアーを利用しました。
松前では桜に見とれて、バスの出発時間に間に合わなくなりそうで、慌てて走ってバスに戻りました。
「死にそう」・・・ハア、ハア、激しい吐息。
その時の母の懸命さは、いま思っても可哀想なことをしたなと胸が痛みます。

松前城の桜は250種以上、あでやかな桜、伝説の桜、不思議な桜、松前で生まれて育った新種の桜、さまざま10000本もあるそうです。
誰もが時を忘れるそうで、自分たちがバスの乗り遅れそうになったのも、無理のない話だと思います。

松前の桜シーズンは4月の中頃から5月の中頃まで。
日本で一番遅く咲く桜であることは想像通りです。

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松前の桜の起源は曖昧で、松前藩政の時代には、お寺の境内に植えられた寺桜や山桜が中心で、数も大したものではなかったそうです。

19世紀初頭の書物には、梅や桜が一斉に花開く様子が書き残されていて、松前の春の美しさが目に浮かぶようです。
この時には残された絵から北海道に自生するオオヤマザクラが描かれています。

松前が桜の名所になったのは、桜の増殖に精魂を注いだ花守の存在が知れ渡ってからだといいます。

一里はみな花守の子孫かな」と芭蕉が句を詠んだように、
桜を守り育てた花守の子孫である多くの子どもたちの努力があって、現在の松前の桜があります。

桜は言わずと知れた日本人の精神性を表現している花。単なる美しい花ではありません。
人の一生も一度限り。満開の桜の下で、母親と食べるお弁当は格別です。
バスツアーでも、事前に注文すれば松前城の公園で食べられるように手配してくれます。

今年も美味しいお弁当を持ち、母の優しい気持ちを連れて、楽しい花見をしたいと思います

・・・・永遠のさよならをしても
あなたの呼吸が私には聞こえてくる
別の姿で同じ微笑で
あなたはまたきっと会いに来てくれる・・・・

ミスター・チルドレンの「花の匂い」が聞こえてきそうです。

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