お遍路とお接待は切っても切れない関係です。四国霊場八十八か所を巡るお遍路さんに、茶菓や食事などをふるまったり宿を提供したりする「お接待さん」が継承してきた四国特有の習俗は、元祖ウェルビーイングです。
「遍路は弘法大師と共にある」とする「同行二人」の考えから、四国の人々は、白装束に身を包むお遍路さんを弘法大師の分身としてとらえ、永年「お接待」を行ってきました。何の見返りもなく交わされるウェルビーイングな交流です。
歩行禅とリモートワークで行くウェルビーイングの聖地「四国遍路の旅」についてレポートします。
ウェルビーイングの聖地/四国遍路リンク集
四国お遍路では、四国にある4つの県を、道場に例えて発心(ほっしん)の道場、修行(しょぎょう)の道場、菩提(ぼだい)の道場、涅槃(ねはん)の道場と呼んでいます。
- 徳島県(阿波) 発心(ほっしん)の道場
- 高知県(土佐) 修行(しょぎょう)の道場
- 愛媛県(伊予) 菩提(ぼだい)の道場
- 香川県(讃岐) 涅槃(ねはん)の道場
この「発心」「修行」「菩提」「涅槃」は、仏界に入るための「四門思想」に由来しています。お釈迦さまが出家する前、まだ太子のとき、王城の東西南北の四つの門から郊外に出掛け、それぞれの門の外で、老人・病人・死者・修行者に出会い、その苦しみを目のあたりに見て、人生に対する目を開き、出家を決意したという「四門四遊(しもんしゅつゆう)」伝説。
修行の場でもある「四国お遍路」も、そのひとつ。仏道修行では、この思想をもとに、仏道を極めて悟りを開くにはこの4つの通過門を経る必要があると考えられています。考えずとも歩行禅を愉しむように歩いているとこれまで体験したことのない清々しい体験をすると言われ、徳島、高知、愛媛、香川の4県が、この4門に相当する通過門となっています。悟りとはひたすら歩くルーティンによって「デコボコ道の歩き方を身につける方法」です。歩行禅は歩きながら瞑想し、そのあとに座禅を組む、全部で3ステップ「懺悔の行」「感謝の行」「座禅の行」からなるシンプルなものですが、縁起があった人々を想い八十八の霊場をめぐる歩行禅で心が整えば、ウェルビーイングなあり方が身体に宿り心身の調子も整ってきます。これは決して精神論ではなく、「心身相関」といって、医学的にも明らかになっています。
かっては「世捨て旅」と呼ばれた遍路の旅。多忙な日々を送る現代人が遍路をするとすればリタイア後になってしまいます。せっかくの教えと学びを人生100年に活かすにはまだまだ現役のいまに反映することが大切です。歩行禅とリモートワークで行くウェルビーイングの聖地「四国遍路」の旅をご紹介をして、あなたの未来に活かしてもらいたいと思う次第です。
お遍路の服装・道具・基礎知識
四国お遍路・八十八カ所霊場巡り
除夜の鐘が108回鳴らされるように、人間には108の煩悩があり、霊場を八十八ヶ所巡ることによって煩悩が消え、願いがかなうと言われてます。不足する20は四国別格20霊場として設定されています。
阿波で脚を固め(発心の道場 1~23番)、土佐で心落ち着け(修行の道場 24~39番)、伊予で信に入って(菩提の道場 40~65番)、讃岐で諸願成就する(涅槃の道場 66~88番)、そして最後に、高野山奥の院参拝で大願成就すると言われてます。
弘仁6年(815)高野山を旅立った弘法大師は、四国霊場開創の発願により鳴門上陸。霊山寺で、持仏の釈尊誕生仏を前仏とし、21日間御祈願の末、身丈4尺の釈迦如来を刻み、本尊と定め、八十八ケ所第1番とし念願成就を祈願しました。こうして、霊山寺は、四国八十八ヶ所の第一番札所となりました。
門の前では、遍路の装束をまとった美しいマネキンが迎えてくれます。
第一番札所らしく、本堂脇の売店で、遍路の装束や金剛杖をはじめとする遍路用品一式が揃います。また、遍路旅の基本的な心得や作法を指導していただけます。
徳島(阿波)発心の道場
仏の道に入ることを決意する門。お遍路を決意し、1番札所霊山寺で発願し、お大師様の足跡をたどる『世捨て旅』と呼ばれた長い旅が始まります。
「一番さん」と呼ばれている霊山寺から最初の宿坊のある六番札所である安楽寺までの15kmの行程、鳴門市・板野町・上板町を抜ける遍路道は比較的家も多い「里の道」ですが、途中には意外にも多くの未舗装の自然の道が残っています。
いずれの自然道も平坦でアップダウンがない歩きやすい道で、里のすぐ裏山や林の中を抜けていくので、急に深い山の中に入るのは不安という人でも安心。
道沿いには古い遍路道標や石仏が残り、国の史跡指定を受けた古くからの道がそのまま残っている、まさに昔のお遍路さんたちの足跡をたどるような区間もあり体験コースとして最適です。
2泊3日のお試しコースをお勧めします。
まずはJR徳島駅周辺か、霊山寺の宿坊で一泊して、朝一番に霊山寺の門を叩いて安楽寺まで歩いて、泊まって発心するか、どうかお試しも良いと思います。《安楽寺最寄りバス停(東原→徳島)は1時間に1本程度》
No. | 山号 | 山号の読み | 院号 | 寺号 | 寺号の読み | 宗派 | 本尊 | 所在地 |
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1 | 竺和山 | じくわざん | 一乗院 | 霊山寺 | りょうぜんじ | 高野山真言宗 | 釈迦如来 | 鳴門市 |
2 | 日照山 | にっしょうざん | 無量寿院 | 極楽寺 | ごくらくじ | 高野山真言宗 | 阿弥陀如来 | 鳴門市 |
3 | 亀光山 | きこうざん | 釈迦院 | 金泉寺 | こんせんじ | 高野山真言宗 | 釈迦如来 | 板野町 |
4 | 黒巖山 | こくがんざん | 遍照院 | 大日寺 | だいにちじ | 東寺真言宗 | 大日如来 | 板野町 |
5 | 無尽山 | むじんざん | 荘厳院 | 地蔵寺 | じぞうじ | 真言宗御室派 | 勝軍地蔵菩薩 | 板野町 |
6 | 温泉山 | おんせんざん | 瑠璃光院 | 安楽寺 | あんらくじ | 高野山真言宗 | 薬師如来 | 上板町 |
7 | 光明山 | こうみょうざん | 蓮華院 | 十楽寺 | じゅうらくじ | 高野山真言宗 | 阿弥陀如来 | 阿波市 |
8 | 普明山 | ふみょうざん | 真光院 | 熊谷寺 | くまだにじ | 高野山真言宗 | 千手観音菩薩 | 阿波市 |
9 | 正覚山 | しょうかくざん | 菩提院 | 法輪寺 | ほうりんじ | 高野山真言宗 | 涅槃釈迦如来 | 阿波市 |
10 | 得度山 | とくどざん | 灌頂院 | 切幡寺 | きりはたじ | 高野山真言宗 | 千手観音菩薩 | 阿波市 |
11 | 金剛山 | こんごうざん | 藤井寺 | ふじいでら | 臨済宗妙心寺派 | 薬師如来 | 吉野川市 | |
12 | 摩盧山 | まろざん | 正寿院 | 焼山寺 | しょうさんじ | 高野山真言宗 | 虚空蔵菩薩 | 神山町 |
13 | 大栗山 | おおぐりざん | 花蔵院 | 大日寺 | だいにちじ | 真言宗大覚寺派 | 十一面観音菩薩 | 徳島市 |
14 | 盛寿山 | せいじゅざん | 延命院 | 常楽寺 | じょうらくじ | 高野山真言宗 | 弥勒菩薩 | 徳島市 |
15 | 薬王山 | やくおうざん | 金色院 | 国分寺 | こくぶんじ | 曹洞宗 | 薬師如来 | 徳島市 |
16 | 光耀山 | こうようざん | 千手院 | 観音寺 | かんおんじ | 高野山真言宗 | 千手観音菩薩 | 徳島市 |
17 | 瑠璃山 | るりざん | 真福院 | 井戸寺 | いどじ | 真言宗善通寺派 | 七仏薬師如来 | 徳島市 |
18 | 母養山 | ぼようざん | 宝樹院 | 恩山寺 | おんざんじ | 高野山真言宗 | 薬師如来 | 小松島市 |
19 | 橋池山 | きょうちざん | 摩尼院 | 立江寺 | たつえじ | 高野山真言宗 | 延命地蔵菩薩 | 小松島市 |
20 | 霊鷲山 | りょうじゅぜん | 宝珠院 | 鶴林寺 | かくりんじ | 高野山真言宗 | 地蔵菩薩 | 勝浦町 |
21 | 舎心山 | しゃしんざん | 常住院 | 太龍寺 | たいりゅうじ | 高野山真言宗 | 虚空蔵菩薩 | 阿南市 |
22 | 白水山 | はくすいざん | 医王院 | 平等寺 | びょうどうじ | 高野山真言宗 | 薬師如来 | 阿南市 |
23 | 医王山 | いおうざん | 無量寿院 | 薬王寺 | やくおうじ | 高野山真言宗 | 薬師如来 | 美波町 |
高知(土佐)修行の道場
お大師様が悟りを開いた「土佐」は、どこまでも続く海岸線をひたすら歩く修行の場です。札所36番から39番は海沿いですが、距離があるので歩き遍路の難所。電車をうまく利用するのがお薦めです。
No. | 山号 | 山号の読み | 院号 | 寺号 | 寺号の読み | 宗派 | 本尊 | 所在地 |
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24 | 室戸山 | むろとざん | 明星院 | 最御崎寺 | ほつみさきじ | 真言宗豊山派 | 虚空蔵菩薩 | 室戸市 |
25 | 宝珠山 | ほうしゅざん | 真言院 | 津照寺 | しんしょうじ | 真言宗豊山派 | 延命地蔵菩薩 | 室戸市 |
26 | 龍頭山 | りゅうずざん | 光明院 | 金剛頂寺 | こんごうちょうじ | 真言宗豊山派 | 薬師如来 | 室戸市 |
27 | 竹林山 | ちくりんざん | 地蔵院 | 神峯寺 | こうのみねじ | 真言宗豊山派 | 十一面観音菩薩 | 安田町 |
28 | 法界山 | ほうかいさん | 高照院 | 大日寺 | だいにちじ | 真言宗智山派 | 大日如来 | 香南市 |
29 | 摩尼山 | まにざん | 宝蔵院 | 国分寺 | こくぶんじ | 真言宗智山派 | 千手観音菩薩 | 南国市 |
30 | 百々山 | どどさん | 東明院 | 善楽寺 | ぜんらくじ | 真言宗豊山派 | 阿弥陀如来 | 高知市 |
31 | 五台山 | ごだいさん | 金色院 | 竹林寺 | ちくりんじ | 真言宗智山派 | 文珠菩薩 | 高知市 |
32 | 八葉山 | はちようざん | 求聞持院 | 禅師峰寺 | ぜんじぶじ | 真言宗豊山派 | 十一面観音菩薩 | 南国市 |
33 | 高福山 | こうふくざん | 高福院 | 雪蹊寺 | せっけいじ | 臨済宗妙心寺派 | 薬師如来 | 高知市 |
34 | 本尾山 | もとおさん | 朱雀院 | 種間寺 | たねまじ | 真言宗豊山派 | 薬師如来 | 高知市 |
35 | 醫王山 | いおうざん | 鏡池院 | 清瀧寺 | きよたきじ | 真言宗豊山派 | 薬師如来 | 土佐市 |
36 | 独鈷山 | どっこざん | 伊舎那院 | 青龍寺 | しょうりゅうじ | 真言宗豊山派 | 波切不動明王 | 土佐市 |
37 | 藤井山 | ふじいざん | 五智院 | 岩本寺 | いわもとじ | 真言宗智山派 | 五仏[注釈 20] | 四万十町 |
38 | 蹉跎山 | さださん | 補陀洛院 | 金剛福寺 | こんごうふくじ | 真言宗豊山派 | 三面千手観音菩薩 | 土佐清水市 |
39 | 赤亀山 | しゃっきざん | 寺山院 | 延光寺 | えんこうじ | 真言宗智山派 | 薬師如来 | 宿毛市 |
愛媛(伊予)菩提の道場
菩提とは、煩悩を捨て去り、悟りを得ることで極楽浄土へ行くこと。伊予の道のりは、この無上の境地に達するための修行の場。
No. | 山号 | 山号の読み | 院号 | 寺号 | 寺号の読み | 宗派 | 本尊 | 所在地 |
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40 | 平城山 | へいじょうざん | 薬師院 | 観自在寺 | かんじざいじ | 真言宗大覚寺派 | 薬師如来 | 愛南町 |
41 | 稲荷山 | いなりざん | 護国院 | 龍光寺 | りゅうこうじ | 真言宗御室派 | 十一面観音菩薩 | 宇和島市 |
42 | 一か山[注釈 21] | いっかざん | 毘盧舎那院 | 佛木寺 | ぶつもくじ | 真言宗御室派 | 大日如来 | 宇和島市 |
43 | 源光山 | げんこうざん | 円手院 | 明石寺 | めいせきじ | 天台寺門宗 | 千手観音菩薩 | 西予市 |
44 | 菅生山 | すごうざん | 大覚院 | 大寶寺 | だいほうじ | 真言宗豊山派 | 十一面観音菩薩 | 久万高原町 |
45 | 海岸山 | かいがんざん | 岩屋寺 | いわやじ | 真言宗豊山派 | 不動明王 | 久万高原町 | |
46 | 医王山 | いおうざん | 養珠院 | 浄瑠璃寺 | じょうるりじ | 真言宗豊山派 | 薬師如来 | 松山市 |
47 | 熊野山 | くまのざん | 妙見院 | 八坂寺 | やさかじ | 真言宗醍醐派 | 阿弥陀如来 | 松山市 |
48 | 清滝山 | せいりゅうざん | 安養院 | 西林寺 | さいりんじ | 真言宗豊山派 | 十一面観音菩薩 | 松山市 |
49 | 西林山 | さいりんざん | 三蔵院 | 浄土寺 | じょうどじ | 真言宗豊山派 | 釈迦如来 | 松山市 |
50 | 東山 | ひがしやま | 瑠璃光院 | 繁多寺 | はんたじ | 真言宗豊山派 | 薬師如来 | 松山市 |
51 | 熊野山 | くまのざん | 虚空蔵院 | 石手寺 | いしてじ | 真言宗豊山派 | 薬師如来 | 松山市 |
52 | 瀧雲山 | りゅううんざん | 護持院 | 太山寺 | たいさんじ | 真言宗智山派 | 十一面観音菩薩 | 松山市 |
53 | 須賀山 | すがざん | 正智院 | 圓明寺 | えんみょうじ | 真言宗智山派 | 阿弥陀如来 | 松山市 |
54 | 近見山 | ちかみざん | 宝鐘院 | 延命寺 | えんめいじ | 真言宗豊山派 | 不動明王 | 今治市 |
55 | 別宮山 | べっくさん | 金剛院[注釈 22] | 南光坊 | なんこうぼう | 真言宗御室派 | 大通智勝如来 | 今治市 |
56 | 金輪山 | きんりんざん | 勅王院 | 泰山寺 | たいさんじ | 真言宗単立 | 地蔵菩薩 | 今治市 |
57 | 府頭山 | ふとうざん | 無量寿院 | 栄福寺 | えいふくじ | 高野山真言宗 | 阿弥陀如来 | 今治市 |
58 | 作礼山 | されいざん | 千光院 | 仙遊寺 | せんゆうじ | 高野山真言宗 | 千手観音菩薩 | 今治市 |
59 | 金光山 | こんこうざん | 最勝院 | 国分寺 | こくぶんじ | 真言律宗 | 薬師如来 | 今治市 |
60 | 石鈇山 | いしづちざん | 福智院 | 横峰寺 | よこみねじ | 真言宗御室派 | 大日如来 | 西条市 |
61 | 栴檀山 | せんだんざん | 教王院 | 香園寺 | こうおんじ | 真言宗単立 | 大日如来 | 西条市 |
62 | 天養山 | てんようざん | 観音院 | 宝寿寺 | ほうじゅじ | 真言宗善通寺派 | 十一面観音菩薩 | 西条市 |
63 | 密教山 | みっきょうざん | 胎蔵院 | 吉祥寺 | きちじょうじ | 真言宗東寺派 | 毘沙聞天 | 西条市 |
64 | 石鈇山 | いしづちざん | 金色院 | 前神寺 | まえがみじ | 真言宗石鈇派 | 阿弥陀如来 | 西条市 |
65 | 由霊山 | ゆれいざん | 慈尊院 | 三角寺 | さんかくじ | 高野山真言宗 | 十一面観音菩薩 | 四国中央市 |
香川(讃岐)涅槃の道場
一切の煩悩から解放された世界が「涅槃」。お大師様生誕の地をめぐり、感謝と至福を感謝しながら讃岐の道を歩む。
No. | 山号 | 山号の読み | 院号 | 寺号 | 寺号の読み | 宗派 | 本尊 | 所在地 |
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66 | 巨鼇山 | きょごうざん | 千手院 | 雲辺寺 | うんぺんじ | 真言宗御室派 | 千手観世音菩薩 | 三好市 |
67 | 小松尾山 | こまつおざん | 不動光院 | 大興寺 | だいこうじ | 真言宗善通寺派 | 薬師如来 | 三豊市 |
68 | 七宝山 | しっぽうざん | 神恵院 | じんねいん | 真言宗大覚寺派 | 阿弥陀如来 | 観音寺市 | |
69 | 七宝山 | しっぽうざん | 観音寺 | かんのんじ | 真言宗大覚寺派 | 聖観音菩薩 | 観音寺市 | |
70 | 七宝山 | しっぽうざん | 持宝院 | 本山寺 | もとやまじ | 高野山真言宗 | 馬頭観音菩薩 | 三豊市 |
71 | 剣五山 | けんござん | 千手院 | 弥谷寺 | いやだにじ | 真言宗善通寺派 | 千手観音菩薩 | 三豊市 |
72 | 我拝師山 | がはいしざん | 延命院 | 曼荼羅寺 | まんだらじ | 真言宗善通寺派 | 大日如来 | 善通寺市 |
73 | 我拝師山 | がはいしざん | 求聞持院 | 出釈迦寺 | しゅっしゃかじ | 真言宗御室派 | 釈迦如来 | 善通寺市 |
74 | 医王山 | いおうざん | 多宝院 | 甲山寺 | こうやまじ | 真言宗善通寺派 | 薬師如来 | 善通寺市 |
75 | 五岳山 | ごがくざん | 誕生院 | 善通寺 | ぜんつうじ | 真言宗善通寺派 | 薬師如来 | 善通寺市 |
76 | 鶏足山 | けいそくざん | 宝幢院 | 金倉寺 | こんぞうじ | 天台寺門宗 | 薬師如来 | 善通寺市 |
77 | 桑多山 | そうたざん | 明王院 | 道隆寺 | どうりゅうじ | 真言宗醍醐派 | 薬師如来 | 多度津町 |
78 | 仏光山 | ぶっこうざん | 広徳院 | 郷照寺 | ごうしょうじ | 時宗 | 阿弥陀如来 | 宇多津町 |
79 | 金華山 | きんかざん | 高照院 | 天皇寺 | てんのうじ | 真言宗御室派 | 十一面観音菩薩 | 坂出市 |
80 | 白牛山 | はくぎゅうざん | 千手院 | 國分寺 | こくぶんじ | 真言宗御室派 | 十一面千手観音菩薩 | 高松市 |
81 | 綾松山 | りょうしょうざん | 洞林院 | 白峯寺 | しろみねじ | 真言宗御室派 | 千手観音菩薩 | 坂出市 |
82 | 青峰山 | あおみねざん | 千手院 | 根香寺 | ねごろじ | 天台宗単立 | 千手観音菩薩 | 高松市 |
83 | 神毫山 | しんごうざん | 大宝院 | 一宮寺 | いちのみやじ | 真言宗御室派 | 聖観音菩薩 | 高松市 |
84 | 南面山 | なんめんざん | 千光院 | 屋島寺 | やしまじ | 真言宗御室派 | 十一面千手観音菩薩 | 高松市 |
85 | 五剣山 | ごけんざん | 観自在院 | 八栗寺 | やくりじ | 真言宗大覚寺派 | 聖観音菩薩 | 高松市 |
86 | 補陀洛 | ふだらくざん | 清浄光院 | 志度寺 | しどじ | 真言宗善通寺派 | 十一面観音菩薩 | さぬき市 |
87 | 補陀洛 | ふだらくざん | 観音院 | 長尾寺 | ながおじ | 天台宗 | 聖観音菩薩 | さぬき市 |
88 | 医王山 | いおうざん | 遍照光院 | 大窪寺 | おおくぼじ | 真言宗単立 | 薬師如来 | さぬき市 |
同行二人
「虚空尽き 涅槃尽き 衆生尽きなば 我が願いも尽きなむ」(こくうつき ねはんつき しゅじょうつきなば わがねがいもつきなん)
この世のすべての人がさとりを得るまで、私の願いも続く・・・つまり「あなたの隣には、いつも私が寄り添っているよ」という弘法大師メッセージなのです。
遍路の際に着用する「白衣」「ズタ袋」あるいは「菅笠」などに書かれている「同行二人」の意味は、本人と弘法大師の二人を意味し、常に弘法大師と共にある意味で、 一人でお遍路をしても、歩いているのは二人というわけです。札所を巡ることで弘法大師の功徳を得られるとされています。
弘法大師を理解するには、「大日如来」を理解することが早道です。大日如来は密教の根本本尊とされています。宇宙全体をつつみ込む絶対的な存在であり「真理」そのものです。弘法大師(空海)は、大日如来の教えを理解する(さとりの境地に至る)には、自分自身が大日如来になりきることが最も大切なことだと説きました。
仏の慈悲と智恵の二面が表裏一体とは、真理そのもの ということです。大日如来の慈悲と智恵の光はこの世のすべてのものを照らしだしていると考えられています。ちなみに、お釈迦様は大日如来が現世に現れた姿なのです。
空海は、大日如来の教えを理解する(さとりの境地に至る)には、自分自身が大日如来になりきることが最も大切なことだと説きました。
今でも札所を弘法大師が巡っているとされ、お遍路ではこの言葉をお供に、歩むことが肝心です。
四国の人々にとって、「接待」をすることは、お大師様をもてなすのと同じ意味があります。「お遍路さん」は「同行二人」。お大師様と一緒に旅していると考えられていますから、お遍路さんをもてなすことは、お大師様をもてなすのと同じ意味です。
お接待をする行為で「功徳を積む」ことができるだけでなく、「自分の代わりにお参りをしてもらう」という意味もあります。
気をつけたいのは「お接待は当たり前のものではない」ということ。四国だからといって、お接待が当然というわけではありません。お接待は、あくまでも「ご厚意」でしてくださるのであって、期待したり、催促するようなものではないということだけは、頭においておきましょう。受ける側も、お大師様のおかげでお接待して頂いたと、「ありがたく」頂戴する気持ちが必要です。
もし、道中、お接待を受けたら、「南無大師遍照金剛」と唱えて、納め札をお渡しして、お礼を申し上げるのがマナーです。また、歩きお遍路の場合は、車などで通りかかった方が途中まで乗せてくださるという申し出をしてくださることもあります。
完全に歩きで通し打ちをしたい場合は、感謝を述べて、丁重にお断りしましょう。
お接待をしてくださる方には、深い感謝の気持ちをもって接します。
「十善戒」を守り、謙虚な気持ちで巡礼します。
十善戒とは仏教に於ける十悪を否定する形にした戒律のことで、不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不綺語、不悪口、不両舌、不慳貪、不瞋恚、不邪見の十の戒律。江戸時代の真言宗の慈雲尊者によって広められました。
お遍路さん一人ひとりのマナーが、この先の「四国のお接待文化」を支えていくといっても過言ではありません。
四国遍路の由来と八十八道場案内
四季折々にさまざまな表情を見せてくれる豊かな自然とウェルビーイングな出会いがあなたの過去と未来と何より現在に感動を呼び起こす四国遍路の旅。
古来、四国は国の中心地から遠く離れた地であり、様々な修行の場でありました。讃岐でご生誕されたお大師さま(弘法大師/空海)もたびたびこの地でご修行をされ、八十八ヶ所の寺院などを選び四国八十八ヶ所霊場を開創されたと伝えられております。お大師さまの御跡である八十八ヶ所霊場を巡礼することが遍路です。
四国は四つの国というように、遍路も4つのエリアに分類され、順打ち、逆打ちの通し歩き以外の県ごとに遍路する方法があります。そして88番すべてを遍路し、結願した暁には、船で和歌山港に行き高野山を参拝するのがお礼参りと言われています。
四国88ケ所全寺案内
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徳島全6コース
- 第一番札所霊山寺〜第六番札所安楽寺
- 第六番札所安楽寺〜第十番札所切幡寺
- 第十一番札所藤井寺〜第十三番札所大日寺
- 第十三番札所大日寺〜第十九番札所立江寺
- 第十九番札所立江寺〜第二十番札所鶴林寺
- 第二十一番札所 太龍寺〜第二十三番札所薬王寺
高知全6コース
- 第二十四番札所最御崎寺〜第二十六番札所金剛頂寺
- 第二十七番札所神峯寺〜第二十八番札所大日寺
- 第二十九番札所国分寺〜第三十二番札所禅師峰寺
- 第三十三番札所雪蹊寺〜第三十五番札所清瀧寺
- 第三十六番札所青龍寺〜第三十七番札所岩本寺
- 第三十八番札所金剛福寺〜第三十九番札所延光寺
愛媛全7コース
- 第四十番札所観自在寺〜第四十二番札所仏木寺
- 第四十三番札所明石寺〜第四十四番札所大寶寺
- 第四十五番札所岩屋寺〜第四十七番札所八坂寺
- 第四十八番札所西林寺〜第五十三番札所円明寺
- 第五十四番札所延命寺〜第五十八番札所仙遊寺
- 第五十八番札所仙遊寺〜第六十番札所横峰寺
- 第六十一番札所香園寺〜第六十五番札所三角寺
香川全6コース
- 第六十六番札所 雲辺寺〜第六十七番札所大興寺
- 第六十八番札所神恵院〜第七十四番札所甲山寺
- 第七十五番札所善通寺〜第八十番札所 国分寺
- 第八十一番札所 白峯寺〜第八十二番札所根香寺
- 第八十三番札所 一宮寺〜第八十六番札所志度寺
- 第八十七番札所長尾寺〜第八十八番札所大窪寺
海外からのお遍路さんも増加の一途
思い立ったら『発心』の時、さあ、千年以上昔から続く遍路の旅に出かけましょう。たとえば一番の道場、霊山寺はこんなに身近にあります。
徳島パス大麻線:霊山寺前下車すぐ
JR高徳線;板東駅→ 徒歩約1.0km
JR高徳線;板東駅→ 徒歩約1.0km
しかも板野郡板野町には四国八十八ヶ所霊場が三寺あります。
第3番札所金泉寺、第4番大日寺、第5番地蔵寺。
行程7キロ弱で道中は起伏が少ないので、3箇所を歩いて巡ることもできます。歩いてもよし、車で回ってもよし、自転車でも回るのもよし。
当初の遍路は、修行僧などが中心だったそうですが、その後、お大師さまに対する人々の信仰(弘法大師信仰)の高まりと共に、日本全国から多くの方が遍路されたといわれております。
山岳信仰などと違い、険しい山路を登って行くのと違い、四国は総じて道が平坦なこともあり、お大師さまのゆかりの地として、誰しもが一度は訪れたい霊場として発展していきました。
さらに遍路する人を「お遍路さん」と呼び支援するウェルビーイングの輪が自然発生的に強まり、暖かい地元の人との交流も高まり、いまでは日本に行きたい理由のナンバーワンとして海外の人からの支持も高まるほどになりました。
過酷な“真夏のお遍路”に外国人殺到 最大の難所の先に…移住者が守る“オアシス”も
遍路ころがし
徳島県第11番藤井寺から第12番焼山寺への遍路道は、全長が12.5kmの長い山道で、四国遍路最大の難所と言われ「遍路ころがし」 と呼ばれています。お遍路さんも転がるほどの急な坂道と誤解される方もいますが、実状は少し違います。詳しくはこちらに。
12番・焼山寺への道(遍路ころがし) |
四国霊場リンク集〜心配事全部解決!
お遍路
便利リンク集
- 四国遍路の基礎知識
- お遍路さんの道具と服装
- 参拝の基礎知識
- 四国遍路の参拝作法
- 水先案内・頼りになります『門前一番街』
- お接待
- 伊予鉄てくてくおへんろさん
- なぞり書き写経用紙<50枚入り>
- 野宿スポット
- “ごんのすけ”の歩き遍路体験記スケジュール一覧
- 四国八十八ヶ所霊場奥の院
四国八十八ヶ所霊場会本部事務局 (善通寺内)
所在地 〒765-0003 香川県善通寺市3丁目3-1
電話 0877-56-5688
URL http://www.88shikokuhenro.jp/
四国ツーリズム創造機構
所在地 〒760-0019
香川県高松市サンポート2-1 高松シンボルタワータワー棟3階
電話 087-813-0431
URL :https://shikoku-tourism.com/feature/henro/top
NPO法人遍路とおもてなしのネットワーク事務局
所在地 〒761-0104 香川県高松市高松町2306-3
電話 087-814-5459
URL http://www.omotenashi88.net/
へんろみち保存協力会
電話 089-945-0108(10時00分~15時00分、火土日祝休)
URL:https://www.iyohenro.jp/
四国八十八箇所霊場巡り お遍路ポータル
URL:http://www.ohenro-portal.jp/
イーストとくしまDMO
URL:https://www.east-tokushima.jp/
お遍路情報
四国別格20霊場会事務局 (大山寺内)
所在地 〒771-1320 徳島県板野郡上板町神宅字大山14-2
電話 088-694-5525
URL:http://www.bekkaku.com/
四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト
「四国八十八ヶ所ヘンロ小屋プロジェクト」を支援する会
〒541-0059 大阪市中央区博労町1-7-11「空の箱(くうのはこ)」URL:http://www.henrogoya.com/
便利リンク集
- 四国遍路の基礎知識
- お遍路さんの道具と服装
- 参拝の基礎知識
- 四国遍路の参拝作法
- 水先案内・頼りになります『門前一番街』
- お接待
- 伊予鉄てくてくおへんろさん
- なぞり書き写経用紙<50枚入り>
- 野宿スポット
- “ごんのすけ”の歩き遍路体験記スケジュール一覧
- 四国八十八ヶ所霊場奥の院
神社
徳島県神社庁
所在地 〒770-8007 徳島市新浜本町2丁目3−61
電話 088-663-5102
URL:http://awa-jinjacho.jp/
仏閣
とくしま七福神事務局 (東照寺)
所在地 〒770-0868 徳島市福島町2丁目3-7
電話 088-652-9561
阿波西国霊場会事務局 (光徳寺)
所在地 〒770-0062 徳島市不動東町5丁目20
電話 088-631-4858
阿波七福神事務局 (金林寺)
所在地 〒779-1620 阿南市福井町後戸
電話 0884-34-2144
URL:http://www.sabadaishihonbou.jp/shichifuku/index.html
阿波秘境七福神事務局 (長福寺)
所在地 〒779-5347 三好市山城町大月297
電話 0883-86-2024
URL:http://7fuku-junrei.net/
ワーケーション
助成金・補助金の制度もあり、有効に活用してウェルビーイングのスキルアップが図れます。
徳島でワーケーション
イーストとくしまDMO
URL:https://www.east-tokushima.jp/feature/detail.php?id=145
徳島県ワーケーションin徳島「脇町うだつの町並み」
URL:https://www.furusato-tax.jp/feature/detail/36000/9173
徳島の企業研修・ワーケーション施設おすすめ7選!
URL:https://weeklyandmonthly.com/journal/tokushima-workcation/
アオアヲ ナルト リゾート
URL:https://www.aoawo-naruto.com/publics/index/264/
高知でワーケーション
URL:https://kochi-tabi.jp/kanko-campaign/workation/
(一社)物部川DMO協議会
愛媛でワーケーション
フジトラベルスタッフおすすめ旅コラム
URL:https://fj-t.co.jp/archives/21483
ワーケーションにおすすめのホテル・旅館・宿(愛媛県)
URL:https://www.jtb.co.jp/kokunai-hotel/list/ehime/feature/workation/
神の山の麓でアウトドアチームビルディング型のワーケーション
URL:https://shikoku-tourism.com/feature/workation_sorayama/top
香川でワーケーション
【体験】香川ワーケーション!
URL:https://abroader.asia/2021/03/21/kagawa-worcation/
ワーケーション新着ニュース
URL:https://www.travelvoice.jp/workation/news/
お遍路便利リンク集
まとめ
競争的な資本主義社会は終焉のときを迎えています。そんななか、御朱印集めがブームです。
- 色鮮やかでカラフル
- かわいい絵&イラスト
- 飾りたくなるド迫力がかっこいい
- 「開運」期待
- 旅の楽しみが倍増
- 心の充電ができる
- 日本の四季
- 日本の伝統
- 生涯を通して楽しめる
- 御朱印そのものが美しい
- なにより世界で一つだけの宝
理由はいろいろですが、決め手は「なにより世界で一つの自分だけの宝物」ではないでしょうか。
唯一無二で「あり続ける」ものであり、あの日、あのとき、特別に意味があるわけではないけれど、時間と空間を超えた、ただあるだけで、うれしい無条件の自分の行為なのです。これこそがウェルビーイングの本質です。きつい階段、坂道、ひとことがかけられた側もかけた側もうれしい。そこにある言葉以上の想いを大切にしたい。その想いは広がる。広がって広がって大宇宙。見えない、聞こえない縁起が幸せを運びます。