長年かかって負債になるんだから「睡眠負債」は関係ないと思っていませんか?
その間、ずっとパフォーマンスが低いままです。
働き方革命が起こっている最中、自由でしなやかな働き方。
暮らし方から遠く離れて不確実な人生設計では楽しくないのではないでしょうか?
睡眠負債に関連する重要なキーワード、ストレス、コルチゾール。副腎、メラトニン、セロトニンについてご説明します。
楽しい暮らしをその手の中ににぎりしめてください。
睡眠負債
睡眠負債は、病気の根本になるストレスの巨大モールです。
ストレスそのものは危機を回避するために人体が備え持った類い稀な機能ですが、睡眠負債があると機能不全に陥るということです。
睡眠の大事な仕事は、身体を休む疲労を回復させるだけではありません。
睡眠によって脳の記憶を整理整頓し、体内の情報ネットワークを使い、脳に伝え、脳は指示を出しています。
成長ホルモンと呼ばれるタンパク質ホルモンやコルチゾール、メラトニンなどを分泌して身体を整えています。
睡眠が不足すると、これらの作業が十分に行われなくなります。
つまり健康体で活動できるようにしたくても、メンテナンスさせてもらえなくなるので、その蓄積で身体が機能しなくなるというわけです。
その最たる事例が、アルツハイマー型認知症で、これは脳を損傷させる行為、さらに癌を発症します。
ストレス
ストレスの正体は睡眠不足、過労、人間関係、自然災害、食品添加物、大気汚染、光刺激、音刺激、有害化学物質、薬品など挙げだしたらキリがありません。決して精神的な問題ではありません。
しかし、ストレスそのものが悪いわけではありません。
そもそもストレスは危険を回避する作用であって、身体がストレス反応することで無事に生き延びることができています。
ストレスホルモン「コルチゾール」
ストレスから身体を守っているのは、ストレスホルモンと呼ばれる副腎皮質ホルモンの「コルチゾール」です。
コルチゾールは、ストレスから体を守るホルモンですが、働きはそれだけではありません。
私たちの体内では、加齢に伴い、炎症が増えてしまいます。
それを放置しておくと、さまざまな病気や老化現象が起こります。
その炎症を鎮めてくれるのが、コルチゾールです。
ところが、ストレスが多い環境にいると、コルチゾールが盛んに分泌されます。
副腎は働きっぱなしになるので、やがて疲れ果てて、コルチゾールを十分に分泌できなくなります。
副腎
副腎から分泌されるホルモンは、50種以上あると言われています。
これらのホルモンは、血糖値の維持、免疫機能の調整、血圧の調整、神経系のサポート、骨の代謝など、生命の維持に欠かせない働きをしています。
ところが、副腎が疲れると、コルチゾールをはじめホルモンの分泌が悪くなります。
疲労が慢性化すると、コルチゾール不足も慢性化して、高血圧、糖尿病、動脈硬化、メタボなどの生活習慣病や胃腸障害、不眠症にうつ、アレルギー疾患など、ありとあらゆる病気の発症リスクが高まります。
この後押しをしているのが、睡眠不足であり、睡眠負債です。
副腎が疲労すると、「最近やる気がなくて気分が落ち込む」といったうつ症状が起こります。
これに対して「男性ホルモン」や「女性ホルモン」の投与を勧める声がありますが、副腎の疲労を回復するものではないので、副腎のケアを優先すべきではないかと思います。
副腎の疲労回復対策
その最大の対策が基本中の基本である「ストレスの軽減」「睡眠」「食生活」「運動」の改善です。
そうすると自然に副腎の疲労回復が進み、コルチゾール、メラトニンや成長ホルモンの分泌が良くなります。
食に関しては、大豆、青魚を中心に和食がおすすめです。
メラトニン
メラトニンは、メラトニンはたんぱく質を構成する必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンという物質からセロトニンという神経伝達物質を経て体内で合成されて、脳の松果線から分布される物質です。
メラトニンは睡眠ホルモンと言われるように、睡眠をコントロールしています。
メラトニンの分泌は主に光によって調節されています。
朝には体温が上がりますが、なかなか上がらない人がいます。
そこで体温が上がりやすい朝型の人と、体温が上がりにくい夜型の人に分かれます。
昼間はメラトニンの分泌が抑圧されているので、体温は上がります。
夜には、メラトニンの分泌が高まって、その作用で身体の深部体温が低下して、休息に適した状態に導かれ眠気を感じるようになります。
人は体温が下がらないと良い眠りは得られません。
メラトニンには、老化を促す活性酸素の毒性を中和する作用もあるので、メラトニンが身体に与える影響は次のような構図になります。
メラトニン増える→体温下がる→眠くなる→健康・老化防止→(過剰)性ホルモン減る
メラトニン減る→体温上がる→覚醒する→病気・老化→(過剰)性ホルモン増える
このメラトニンには「性腺抑制作用」もあるので、メラトニンが増加すると性腺刺激ホルモンが抑制されて月経を止めてしまう作用などがあります。
逆にメラトニンが減少すると性ホルモンが増加し、性ホルモンの過剰分泌が心身に悪影響を与えて思春期が2~3年早く始まってしまいます。思春期は男子は10歳、女子は12歳頃と言われていますが、早く始まりすぎると心身のバランスがとれなくなります。
メラトニンの減少は女性の天敵なのです。
セロトニン
セロトニンは別名5-ヒドロキシトリプタミと言われトリプトファンから5-ヒドロキシトリプトファンを経てセロトニンになります。
睡眠から目覚めて太陽の光を浴びるとセロトニンが多く分泌されます。
太陽が沈むとセロトニンの分泌が抑えられ、メラトニンの分泌が始まるという関係にあります。
トリプトファン
セロトニンは脳内で作られますが、必須アミノ酸「トリプトファン」が変換したものです。
「トリプトファン」は、糖質、脂質、たんぱく質を代謝・分解する上で必要なビタミン(ナイアシン)の合成も行っています。
ただし、トリプトファンは体内で生成できないので、食事で摂取するしかありません。
食べ物から、摂取したトリプトファンは、日中、太陽を浴びることで、N-アセチルセロトニンとなって、脳内でセロトニンに変換され、夜になると睡眠を促すメラトニンに変わります。
そのため、トリプトファンが不足すると、不眠症や睡眠の質の低下を引き起こす原因となります。
やはり、人間の身体は食べ物でできているのです。
だから、インスタント食品やジャンクフードばかり食べていると、不眠症や睡眠の質の低下を招いてしまいます。
まとめ
人の身体はメカニカルなものです。
それに逆らったl暮らし方は、無免許で自分の身体を動かしているようなものです。
どんなスーパーカーでも壊れてしまいます。
優れたドライバーは「原因=結果」を良く知っています。
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