こんにちは。人生200年時代の心と身体とお部屋をゴエスする「マインドフルネス実践講座」コーチ、特別な一日日本代表ゲンキポリタンあなたの願いを実らせるNaoman-Minoruです。
禅の教えがもっとも効果を発揮するのは、「在り方」つまり「ライフデザイン」です。
私たちはパンデミックと同時に5つの社会変革を体験しました。
- 平等化
- 理性化
- 多様化
- 世俗化
- 個人化
これら5つの変化に向き合ったライフデザインをするとき、禅あるいはマインドフルネスは有効に機能します。「私はこのような価値観で生きたい(=在り方)」とするとき、固定観念から離れてあるがままの自分を見つけるときに禅・マインドフルネス瞑想は、指針となり導いてくれるからです。
ここでは禅・マインドフルネスが、5つの変革に、どのように対応して、どのようにあなたのライフデザインに貢献するのか、ご説明します。
パンデミックが証明した「自利利他」の有効性
コロナウイルス騒動は、マスクを通して「自利利他」の大切さを世界中にアナウンスしました。
「自利利他」は、「自を利して、他を利する」という一体の言葉です。
マスクで感染を自己防衛することが周囲の人の感染防御にも貢献するという関係性は、世界中の人に届きました。
自利と利他を分別するのは間違った発想であると世界中に認知を広めた典型的な「自利利他」の事例でした。
個人主義の欧米人にとって「自利利他」は理解が難しいテーマですが、個人化が進む日本人にも「自利利他」は理解し難くなっています。「自利利他」をライフデザインにどのように織り込むのか、5つの変革に「自利利他」がどう貢献するのか、ご説明します。
フロイトの発言とブッダの教え
フロイトは、その心理学で、次のようには発言しています。
なぜなら自由には責任が伴うからである。
みんな責任を負うことを恐れているのだ。』
つまり、ほとんどのヒトは、分別する力がつくことで子どもの頃の自分から離れて、不安にやられてしまうのです。仏教では、これに対して「無分別智」・・・無分別の智慧を説いています。
それにしても責任から逃げたい最大の原因はお金で、お金の背景には自己否定感があるのではないでしょうか?
自分は勘定に入れない「無分別智」
「自利」と「利他」は分別できないことを、世界に広めた「自利利他」は、二分化法的思考脱却の上に立っています。二分化法的思考とは白黒思考ともいい、白か黒か、右か左か、自分かあなたか、というように両極端で判断する思考のこと。完璧主義の裏返しと言われています。分別できない、分別しない「自利利他」にはそぐわない考え方です。
「二分化法的思考」を嫌い成功したビジネスマンの言葉をご紹介しておきます。
私は「80%の男」を自認している。スポーツでも活動でも、熟練度が80%になるまでは没頭する。そこから先に進むには取りつかれたような情熱で専門性を高めなければならないが、それは性に合わない。だから80%くらいに達すると未練もなくやめ、まったく違うなにかを始めてしまう。
──イヴォン・シュイナード(『パタゴニア』創業者)
中道を説く禅では、「無分別智」といい分別しない智慧を尊んでいます。
二分化法的思考では、対立軸で考えますが、無分別智では、対立を嫌います。
なぜなら自我こそ元凶だと考えるからです。
グローバリゼーション、①平等化②理性化③多様化④世俗化⑤個人化の5つの社会変革、すべてに「自我」つまり「自己執着心」が影響しています。
反対にSDGsの達成には、自己執着心からの自由、開放が必要になります。世界はいやでも自我を捨てる価値観、在り方をダイナミックに変革する必要に迫られています。
ダイナミックに変革するとは、執着を根本から手放すことです。執着を根本から手放すとは、日常のひとこま、ひとこまに「慈悲、慈愛」の心を植え付けることです。
そこでは人目を気にして親切をためらったとか、あるがままの気持ちを抑えたなど、固定観念から離れるライフスタイルが重要になります。つまり利他行によって自我を強めてしまう危険、愚かさを回避するには、分別しない智慧を徹頭徹尾、使い切るしかないのです。
私のモノはあなたのモノ、あなたのモノはあなたのモノというほどの割り切りが「無分別智」を現実にします。では、私はどうなるの?答えは宮澤賢治の詩「雨ニモマケズ」にあります。
雨ニモマケズ
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラッテヰル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノノ
小サナ萓ブキノ小屋ニヰテ
東ニ病気ノコドモアレバ
行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ
行ッテソノ稲ノ朿ヲ[#「朿ヲ」はママ]負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ
行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニ
ワタシハナリタイ
南無無辺行菩薩(なむむへんぎょうぼさつ)
南無上行菩薩(なむじょうぎょうぼさつ)
南無多宝如来(なむたほうにょらい)
南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)
南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)
南無浄行菩薩(なむじょうぎょうぼさつ)
南無安立行菩薩(なむあんりゅうぎょうぼさつ)
では、次に「自利利他」「無分別智」「慈悲・慈愛」が5つの変革、ライフデザインに貢献するのか説明します。
5つの変革とライフデザイン
ライフデザインは5つの変革を固定観念の枠で捉えるのではなく、思慮分別を加える前の純粋な感覚が認識の基礎、モチベーションになるものとして採用します。そのときに思わぬ効果を発揮するのがマインドフルネス瞑想、禅です。
西洋思想では、個を大事にするので「自立」を大切にします。そのため小さい頃から一人で寝かします。日本では子どもを挟んで川の字で一緒に眠ります。こういった違いは意識せずに行われますが、文化となって生活シーンの随所に息ずいています。
そこで問題になるのが、「自分」という存在の扱いです。
西洋人や現代人は自分を良くするために「禅」「マインドフルネス」にヒントを求めます。
ところが、日本での「禅」「マインドフルネス」は、自分を取り除こうとします。「ジブンヲカンジョウニ入レズニ」です。
自己をならふといふは、自己をわするるなり。
自己をわするるといふは、万法に証せられるなり。
万法に証せられるといふは、自己の身心
および他己の身心をして脱落(とうらく)せしむるなり。──道元「正法眼蔵」「現成公案」
『正法眼蔵』 2016年11月 (100分 de 名著)
▲難しい道元禅師の話もわかりやすく説明されているので、初心者には最適です。
「万法に証せられるなり。」とは、天地宇宙の一切のもののはたらきによって悟り(さとり)がわが上に現れることである。天地宇宙の一切のもののはたらきによって悟りがわがうえに現れるというのは自他の身心をしてそっくり束縛から脱せしめることである。つまり、自我とは、きれいさっぱりお別れできるということです。
フロイトの「自由」に対する自由の在り方を提言しているのが、禅の考えで、この有効な手段が「無分別智」「自利利他」「慈悲・慈愛」です。
「無分別智」「自利利他」「慈悲・慈愛」のより詳しい説明はこちら
アフターコロナのグローバリゼーションと5つの変革
パンデミックを体験して、グローバリゼーションが思い描いていた方向と違った方向に向いていることに気がつきはじめました。
私たちはパンデミックの脅威と併せて、主に5つの急激な変革を体験する最中にあります。
- 平等化 上下関係・男女共同社会
- 理性化 知識が増えている
- 多様化 考え方、価値観が増えている
- 世俗化 影響力が低下 政教分離 イベント的
- 個人化 セルフケア 共同体への依存から個人に依存
ライフデザインをするとき、5つの変革にどう向き合うのか、自分の価値観と照らし合わせて一定の準備が必要です。
平等化
上下関係の変化を象徴するように、役職で呼ばず、「○○さん」が増えました。男女平等も増えましたね。男女共同社会になっています。特に企業規模が大きいほど平等化は進んでいるようです。それが形ばかりものか、慈悲・慈愛に裏付けされたものか、大いに関心のあるところです。「人種差別」のような課題も固定観念を離れないと真実が見えないことがあるので注意したいですね。「なりきる」ことが大切です。
理性化
情報化社会の急激な進展によって個人、個人の知識が増えています。
特に科学的に判断する傾向が強まり無意識に理性的に理解する傾向が高まっています。
多様化
多様化とは、異なる人が、異なる考え方により、異なる行動をとる人々が、共存することです。
ネガティブな一面として、自分と異なる人には、あっさり無関心になる可能性があります。
世俗化
これも情報化と大きな関係があります。権威の失墜と言ってもいいでしょう。従来は一般的に知られれていないことで、重要なポジションにあったものが、情報によって解った気になり世俗化される傾向が顕著になりました。ただ、大切なことが、正しく理解されず、安直に扱われることは、自分を粗末にすることにもなるので気をつけたいですね。
個人化
共同体の一員としう意識が薄れ、SNSに見られるように自分が好むネットワークを共同体とする意識が強まっています。
①平等化②理性化③多様化④世俗化⑤個人化、5つの社会変革を串刺しにすると、インターネット、スマホ、SNSの影響が顕著です。ライフスキルに「コミュニケーション・スキル」がありますが、基礎的なスキルとして、「無分別智」「自利利他」「慈悲・慈愛」と併せて、スマホ&インターネット・テクノロジー、グーグルのスキルを組み込みたいですね。
ただし、コアになるのは「自我を脱落させる」ことです。
誤った固定観念から離れずして社会変革はありません。
マインドフルネスで自身の固定観念や価値観がどこからきているのかを観察して実験します。
これが「あるがまま」という言葉で表現されるので、よく誤解されます。
囚われないことでなにが起こるのかという実験を通して自身を観察します。
▶︎人生200年時代のマインドフルネス実践講座
いま、ここを生きるマインドフルネス
いま、ここを生きるためのマインドフルネスは、どう捉えればいいのでしょう。
社会変革は、人々がもっと豊かに生きられるはずだという思いから立ち上がっていきます。
もっとも重要なことはあなたが200年時代をどうすれば豊かに生きることができるかです。
そのための道具としてマインドフルネスをフルに活用したいものです。
「マインドフルネス」は、お釈迦様が入滅される前に弟子たちに説かれた「三十七菩堤分法」のひとつ「八正道」の中のひとつですが、現代人に最適なマインドフルネスを説いている点では、グーグルやアメリカン仏教の方かも知れません。
素敵な試みが、その目的を達成するためにシンプルに「宗教的な要素」は排除しました。
「ストレス低減対策」の観点からすれば、どちらも同じのひとことで片づくのですが、パンデミックは事態を少し複雑な方向に動かせました。
「禅」と「マインドフルネス瞑想」はどう違うのかという疑問を強めてしまいました。
明らかな違いがあるので、指摘しておきます。
そもそもアメリカ人は個人主義です。5つの変革でも顕著なように最近は日本人も個人主義です。つまり「わたし」「わたし」「わたし」「自分」「自分」「自分」なのです。
しかし「無我」という言葉でわかるように禅は「私」を脱落させることを目的にしています。
方向性が全く逆なのです。
まとめ
人生200年時代のライフデザインをするうえで、「生かされている」という体験は「無形資産」を育むうえでも重要です。ライフシフトするために金融資産と併せて、必要な資産と言われているもので生産性資産・活力資産・変身資産・パートナー資産です。そこにも①平等化②理性化③多様化④世俗化⑤個人化、5つの社会変革が起こっています。「無分別智」「自利利他」「慈悲・慈愛」を自分で折り込みオリジナルマインドでライフシフトを差別化します。
そしてもっとも重要なことは、「私」を忘れて、いま、ここ、この瞬間、対象になりきることです。雨にも負けず、ジブンヲカンジョウニ入レズニ、ヨクミキキシワカリ、ソシテワスレズ・・・人々の幸せに貢献することこそ、5つの変革に組み込み、ライフデザインにしたいものです。
▶︎ライフデザイン