自分を知る絶品旅

学び
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アメリカ南西部。コロラド平原を中心にして、コロラド、ネバダ、ユタ、アリゾナ、ニューメキシコの5州がまたがるグランドサークルと呼ばれる広大なエリアがあります。

グランドサークルはユタ州とアリゾナ州の州境にあるパウエル湖という巨大な人造湖を中心に、半径230km の円(サークル)の中に含まれるエリアの呼称です。

グランドキャニオン、ザイオン、ブライスキャニオン、アーチーズ、アンテロープキャニオンなどのアメリカを代表する遺跡、国立公園、国立モンニュメント、州立公園が多数集中するむきだし大自然の宝庫です。

地球が誕生したと推定されるのは46億年前、その後7億年かけて地殻が形成され、11億年かけて海ができたそうで、グランドキャニオンでは17億年の及ぶ地殻変動、隆起、侵食、自然が施した壮大な芸術はとても人間が太刀打ちできるものではないことを思い知らされます。


このエリアには、ネイティブアメリカンの居留地がいくつもあります。

それぞれの部族が伝統を守りながら暮らしています。
コロラド市街地から車で一時間ほどラジオから流れるカントリーミュージックを聴きながらハイウェイを一直線に飛ばすと現れるネイティブアメリカンの居留地があります。

むきだしの岩肌の地層が無言の内に語っているのは、ネイティブアメリカンよりずっとずっと前からここに存在している岩石、土です。

ネイティブアメリカンは、それを十分心得た上で、無秩序な行いを決してすることなく、人間も大自然の一部であることを受け入れて共生してきたのです。
これを観光地と呼ぶのは神への冒涜としか思えない大自然が広がっています。

1492年10月。クリストファー・コロンブスがアメリカ大陸に到達。

翌年にはコロンブスの率いるスペイン軍がネイティブアメリカンに対してあらゆる手段を講じて10年に及ぶ徹底的な虐殺弾圧を行います。

「黄金」への執着でした。黄金の在り処を供述させよとした挙句の暴挙です。

スペイン人が支配し、合衆国ができて、決して神の領域を冒さなかったネイティブアメリカンを居留地に追いやります。

グランドサークルにある「ナバホネイション」はアメリカ最大のネイティブアメリカンの居留地でナバホ族が暮らしています。

ここにはアメリカの同化政策の失敗よるアルコール中毒のナバホ族男性が少なくなく絡まれることもあります。斧で叩き殺されるかとヒャッとしました。(笑)

ナバホ族の流儀は「あるもので間に合わせる」です。
ストレス解消に俺を使わんでくれ〜ッ。(笑)フリーな旅には危険がつきものです。

ナバホの聖地としてもっとも有名なのがモニュメントバレー。
ここにはジョン・フォードポイントと呼ばれる映画の撮影で世界に知れわたった景色があります。
ほとんど雨の降らない砂漠地帯ですが、2億7千万年位前の地層が現われたものが風化・浸食によって形成されたといわれていて、いまも風化による変化が続いているといいます。

一時期はセスナ機を使った日帰りツアーがありましたが、現在は休止していてバスか自分で車を走らせるかしないと行けないようです。
モニュメントバレーにはホテルもありますが需要に供給が追いつかず競争率が高いので近隣の地区で宿泊するしかありません。


自分は真夜中にラスベガスからグランドキャニオンへのセスナ機に乗ったことがありますが、雷と共に降ってきた雹(ひょう)の激しく機体を叩く音と雷の音、闇を切り裂く光と上下左右に揺れる機体に生きた心地がしなかったことを思い出します。
そんなのは序の口で、他にも「あかん、もう死ぬぞ」体験が続出です(笑)

グランドサークルには壮大な地球誕生のドラマが生きています。
そこで暮らす人も自然に寄り添うように暮らすのが日常。自分たちの感覚とは大いに違いますが、「郷に入れば郷に従え」で腹を決めて行動すれば、冷や汗タラタラのびっくりポンが待ち受けています。
いまこのエリアを旅すると、人によって想起することは違いすぎるだろうと思います。

それこそが旅の醍醐味。自分は何者か、自分の在り方と向かいあうことになると思います。

イージーなパックツアーも魅力ですが、旅は「自分を知る」ことと「サプライズ」にこそ魅力があります。目的別で旅の仕方も柔軟に変えてベターライフを満喫するのがおすすめ。

時にパックツアー、時にオリジナルな自分流。それぞれの最適な絶品旅があります。

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