ウェルビーイングのために「たったひとつの大事なこと」

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自利利他は、ウェルビーイングの基本です。
世の中なんて、ただダダ広いだけの空っぽの空間。
なんにもないからすごいヒトに寄ってくる。それを業にするものは人為的にすごいヒトを作り上げる。本当にすごいヒトは自分さえ忘れて自分の宇宙に閉じこもってウェルビーイングしています。

では、一人一宇宙の世界で、ウェルビーイングであるために、ぽつんと一人、なにをしてるのでしょう。自身の努力を「妨害しない」ことです。

前回は、お釈迦様、葛飾北斎、大谷翔平さんを例に「一人一宇宙」で好きなことをして大宇宙と繋がっているいる事例を紹介しました。彼らが残した、あるいは取り組んでいるウェルビーイング/Well-beingのために実践している「たったひとつの大事なこと」についてご紹介します。

自分忘れの偉人:葛飾北斎・おおたにサンに学ぶ「自分」の忘れ方
葛飾北斎は自分忘れの名人でした。すべては芸術のために捧げられました。おおたにサンも同じです。彼らは禅僧のお手本のように宇宙を楽しみます。個性だ多様性だ「自分らしく」と言ってる限り、自我に苛まれ、日本のように社会がない国で生きるには、自分を忘れて対象になりきるマインドフルネスの真髄にしあわせがあります。

人生を幸福にする方程式

お釈迦様はどうすれば苦しみだらけの世界で幸せに生きることができるかを考えて考えて考え抜きました。そして少しでも幸せに生きる方法を説かれました。お釈迦様が体調を悪くされた時、弟子がお釈迦様なきあと、「私たちはどうすればいいですか」と訊きました。そのときに伝えられたのが「自灯明・法灯明」の実践の大切さです。

ブッダに学ぶシステム思考「自灯明、法灯明」
「自灯明、法灯明」はお釈迦様の遺言とも言うべき重要な言葉です。 この言葉の意味を理解すれば「仏教」が宗教ではなく、哲学さらに心理学であると思うでしょう。 自灯明、法灯明 ただ誰かから聞いたからといって、それを信じるな。 何代も受け継がれたか

「自灯明・法灯明」を実践する方法として『八正道』を講義されます。
『八正道』とは弟子を一同を大講堂に集めて講義された内容です。
上から目線の「教え」と捉えず、「こうしたらしあわせになれます」という推しとして捉えてください。

究極の断捨離を93回もして「精進」を貫いた北斎

人生はシンプルです、何を目標にするにしても『精進ー妨害=結果』で表すことができます。
妨害(障害)がなければ、精進した分、そのまま結果に反映されますが、現実にはいろんな妨害が生じます。第一の妨害にして最大の妨害となるのは「自分」です。

たとえば、モノが氾濫した部屋という妨害です。情報が氾濫した脳という妨害です。集中を妨げる掃除が嫌いな葛飾北斎はゴミが氾濫してくると、違うあばら家に引っ越しました。その数、実に93回。究極の断捨離です。

八正道』はウェルビーイングであるために、精進のあり方も、妨害となることをしないように、正しい取り組み方についても説明されています。これを現代訳にしたのが、オオタニさんのマンダラ=チャレンジシートです。

人生とは原因と結果の連鎖

マンダラ(曼荼羅)は、空海(弘法大使)が、唐から持ち帰った大乗仏教のひとつ「密教」の教えを絵にしたもので、縁起を描いたものです。縁起とは「原因(縁)と結果(起)」のことです。
曼荼羅そのものの解読は難解ですが、解読が難しいのは、縁起の関係が難解だということを表しているのだと考え、私は縁起の連鎖を絵で表したものだと解釈しています。

縁起の関係は「1:1」、「あなたとわたし」というように単純ではなく、身に覚えのない遠いアフリカで起こったことが原因で、自分に不幸な結果が生じるという壮大なものだかからです。

身に覚えのない原因の影響を最小限にして、ウェルビーイングな世界を実現するのが、八正道であると考えます。八正道だけ見ていると、小学生に教えるような当たり前のことばかりだと思えますが、実践が難しくなるのは、自我が妨害するからです。

自我が妨害する「たったひとつの大事なこと」

自我とは、主に1歳9ヵ月頃から2歳頃にかけて、「自分でやりたい」と自分の意志を言動で表示するようになることを指します。 成長の証しという点では良いことですが、自我による執着心も芽生えてくると、エゴになり、精進を妨害をします。 執着心が精進以上にどんどん増大すると、収入より支出が増えたのと同じで「精進ー妨害=▲結果」になります。

八正道は、こういう結果にならないように八正道に精進てウェルビーイングを具体化するための推しです。

お釈迦様、葛飾北斎、大谷翔平さんを例に「一人一宇宙」で好きなことをして大宇宙と繋がっているいる事例を紹介しましたが、彼らは残した、あるいはウェルビーイングのために実践している「たったひとつの大事なこと」が八正道です。

お釈迦様も、葛飾北斎も、自分が成し遂げたいことのために、「八正道」を貫くように、自分が一切の妨害をしないように、自我執着心を捨て、外側から自分の宇宙の持ち込まないことを徹底して、一途に「一人一宇宙」で内的なしあわせを為し遂げ、大宇宙につながり外的なしあわせも叶えました。
ここで大事なことは、しあわせは自分の内にあり、
自分の外側にはないということです。

富山が発信するWell-being(ウェルビーイング)

世界は広いですが、日本一!の推しが止まらない美しい富山県はWell-being(ウェルビーイング)の先進地域です。高岡城を築きこの地で亡くなった前田利長を弔うために建立され国宝瑞龍寺にある地名「八丁道」が無言でブッダの遺言を語るように、いまWell-being(ウェルビーイング)の息吹きが日本の未来を開きます。

八丁道は、瑞龍寺と前田利長公の墓所を結ぶ道に名付けられた町名であり道です。いま介護施設とサッカーチームがひとつになった応援事業が富山から全国に広がっています。さらに長寿社会にふさわしい事業モデルも生まれています。自我の扱い方で、ヒトはもっともっと素敵になれることを実証しているのです。ウェルビーイングな「宇宙船富山号」に幸あれ!

Well-being(ウェルビーイング)とは、Well(よい)とBeing(状態)が組み合わさった言葉で、「よく在る」「よく居る」状態、心身ともに満たされた状態を表すしあわせ(自利利他)の概念です。 「自灯明・法灯明」「八正道」はしあわせに至るプロセスに欠かせないあり方です。

八正道はシンプルな教えですが、今日になっても、絶対数として実践する人は多くはありません。
2500年前に、お釈迦様が生前、危惧されたように「自我」がいかに厄介なものか如実に語っています。

  • 物事を為すには、障害が生じることを計算しておく
  • 事前に予測されるあらゆる障害をつぶしておく。
  • それでも障害が生じたらどう対策するかをプランしておく。

お釈迦様は良いことでも、伝え方で伝わらないことを危惧されました。

若い時に体験した結果「宗教は役たたない」と見切って、自分で精進されました。
「死後にはリーダーを立てるな」と遺言されましたが、お釈迦様の教えを伝えるために、次第に宗教化しました。その理由にお釈迦様が書き残したものはなにもなかったことがあります。
当時は口伝で伝えられたので、口伝しかなく、正しく伝えるには限界があります。
やがて文字と紙によって伝達手段に変化が起こり「大乗仏教」が起こり、お釈迦様の教えを忠実に守ろうとした「上座部仏教」とに分裂しました(根本分裂)

どちらにも理があり、教えをさらに追求することによって「大乗仏教」は進化し、さらに分派していき、同じ教えでも派によって言葉が違って、宗教化も進み、難解になっていきます。
我々がお釈迦様の遺言である「自灯明・法灯明」哲学と捉え生きるヒント、ガイドとするなら問題はありません。

ブッダに学ぶシステム思考「自灯明、法灯明」
「自灯明、法灯明」はお釈迦様の遺言とも言うべき重要な言葉です。 この言葉の意味を理解すれば「仏教」が宗教ではなく、哲学さらに心理学であると思うでしょう。 自灯明、法灯明 ただ誰かから聞いたからといって、それを信じるな。 何代も受け継がれたか

「自灯明・法灯明」は現代でいうウェルビーイング/Well-beingに他なりません。

ゲンキポリタン大学

「社会人基礎力」(全6回)

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