ロミオとジュリエットが移住していたら
「ロミオとジュリエット」を下敷きにしたミュージカル。愛する男女の出会いと別れを描いた「ウェストサイド物語」がそうであったように、ヘイトスピーチのように、都市では国籍で憎悪しあうこともありますが、ロミオがモンタギューの息子でなく、ジュリエットがキャピュレットの娘でなく、互いに愛し合う都市に暮らす男女であれば、あんな悲劇は起こらなかったはずです。
現代にロミオとジュリエットがいたら「移住」という名の駆け落ちをしてしまえばいいのです。
【TokyoDive(トーキョーダイブ)】
形のあるものはいつか必ず無くなってしまう
山本周五郎はスティーブン・フォスターの生き様を下敷きにした傑作「虚空遍歴」で
主人公に
「形のある物は頼みにならない。母はよくそう言っていた。
金でも物でも減るか無くなってしまう。
形のあるものはいつか必ず無くなってしまうのだ。
大切なのは減りもせず無くなすこともできないものだ。
人によってそれぞれ違うけど誰にでも、ひとつだけはそういうものがあるはずだ。」と言わせています。
いつも同じような人を好きになる”超直感”
人が人を、時間をかけて試してから、「相性がいい」と判断しているわけではありません。
関係が始まるかどうかは、最初の印象で決まっています。
心が寂しいと恋は一瞬ではじめることができます。
しかしほとんどの場合、まるで匂いに惹かれるかのように似た人を好きになっています。
直感を超えた超直感で惹かれ合うのです。
良くも悪しきも、惹かれ合う場合には、いつか決着をつけなければならない性のような、一生を貫いている、減りもせず無くなすこともできない「そういうもの」が、ひとつだけあるのです。
恋は一瞬でできますが、愛することはそんなわけにはいきません。
「愛しています」というのも簡単ですが、それが愛かどうか、試されるときはすぐにきます。表面にしか関心が持てない人もいます。
超直感の正体は自我のバランスの偏りです。
親にこだわりを持つ人の自我のバランスは、こだわりを持たない人のバランスと違います。
この違いが匂いにように引き寄せあいます。
引き寄せあって危険な場合と幸せな場合があります。
危険な場合はボロボロにされます。
幸せな場合も平坦ではありませんが、乗り越えることで、いつか決着をつけなければならないことをハッピーエンドにできます。それにはふさわしいライフスキルが必要になりますが、身につけるのも愛あればこそです。
バランスを矯正できるのは愛の力だけです。
愛するとは相手の心に「移住する」ようなもの
愛するとは相手の心に「移住する」ようなものだと思います。
引っ越しは簡単ですが、ベターライフを過ごすのは簡単ではありません。
そこには相手の過ごした村社会が存在しています。
自分は関係ないというわけにはいきません。
村を駆け回り、古井戸や秘密の隠れ家も探します。それができないのなら他人に関心を持たない都市生活者に甘んじるのが良いでしょう。
「移住する」には覚悟がいります。
引っ越しするなら荷物が少ない方がいいでしょう。
過去への執着は全部捨てて、「今日だけ」を持っていけばいいと思います。