あっぽっしゃ

からだデザイン
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「あっぽっしゃ」って、なんのことだか分かりますか。

「泣く子はいねがー! 悪い子はいねがー!と声を挙げながら徘徊し、子どもを恐怖のどん底へと落とす秋田の大晦日の風物詩である「なまはげ」の福井バーションが「あっぽっしゃ」です。

福井県福井市の旧越廼村である蒲生(がもう)・茱崎(ぐみざき)・大味(おおみ)地区に伝わる伝統行事であり、妖怪です。

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この種の行事は新潟、石川県にもありますが、「あっぽっしゃ」の場合は、海に住むという鬼が行儀の悪い子どもをたしなめる行事です。

福井市の蒲生・茱崎・大味地区では小正月の2月6日夜、地区の若者扮する赤い顔の鬼が、茶釜の蓋を叩きながら「アッポッシャー、アッポッシャー」といって、行儀の悪い子どもをたしなめ餅をもらって帰る行事です。

しかし現在では、怖がる子どもが可哀想との声が相次ぎ取りやめになっています。子どもの柔らかい心にはキツすぎると思います。

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荒海と共生する越廼
越廼村の海は外海だから荒れます。しかも、村には越前町や三国町のような天然の良港がありません。

あっぽっしゃ」は、遭難した渡来人が越廼の海岸に辿り着き、やっとの思いで民家に食料を求めたことに由来するとされ、「あっぽ(もち)欲しや」がなまったものとされています。

越廼村は江戸時代から漁業と水産加工で栄えてきた村。
現在はイカ釣りが主な漁業で、その技術は日本一とも言われています。

イカ以外には、カニがありカニを傷つけないように、獲るカニの種類に合った方法で、かに刺し網、定置網で漁が行われています。

かに刺し網はその代表です。と、いってもカニを刺すわけではありません。そんなことをしたらカニが傷ついてしまいます。

刺し網漁法とは、12名の少人数で漁船に乗り込み実施します。漁場に出て、数日前に海中に網を投げ入れて仕掛けます。
網に張りを持たせ、その網目にカニを絡ませて捕獲する漁法です。

刺し網は網の上縁部分に浮子(あば)、下縁部分に沈子(いわ)を付けて水中に垂直に張ります。網にカニが刺さったような状態になるため、刺し網と呼ばれています。網に掛かったカニは船舶上または陸上の小屋で取り外します。

この方法は、法定知事許可漁業として定められており、漁獲可能な地域ごとに厳しく管理監督されており、水域、水深、漁期、一隻あたりの漁獲高などが制限されています。絶品カニ弁当、カニ丼は厳しい海と規制の共生する人々からの素敵な贈り物なのですね。

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