マトリックスワークブック|『マトリックス』超『クラウドアトラス』

クラウドアトラス カルチャー

はい、こんにちは。自由なライフデザイン・ライフシフトを応援するいきいきゴエスNaomanです。今回は『マトリックス』との関係性が気になるウォシャウスキー姉妹監督作品『クラウド アトラス』のネタバレご紹介です。

2004年の『クラウド アトラス』は1998年の『マトリックス』と無関係な映画ですが、監督がウォシャウスキー姉妹とあっては、本当のところどうなのか気になるところ。映画的な面白さという点で賛否両論、全然わからないという人も多いかと思います。自分は大好きです。いまならAMAZONプライムビデオで無料鑑賞できます。

クラウド アトラス』とは、「雲の地図」という意味。
う〜ん、ますます、謎。う〜ん、モヤモヤの地図?
もやもや、だから何度見ても面白い映画です。
毎日観ている自分の場合、見る時間がないので、睡眠中も流しっぱなしです。
おかげで正月二日の初夢は、大音量のメロディーと共に雲が落ちてきた夢を観ました。

『クラウドアトラス 』を手に旅に出よう。

『マトリックス』にはデジャヴはバグだというセリフがあります。その意味は、『クラウドアトラス』を観るとよく解ります。つまり私たちは輪廻しているのです。「輪廻」という言葉に惑わされず、考えてみてください。「輪廻」はお釈迦様の教えと一般に言われますが、お釈迦様は否定した人物です。「輪廻」はインド哲学にあるものでバラモン教の教えに由来しています。バラモン教の「五道(ごどう)」という輪廻思想を受け継いで「六道輪廻」を唱えたのが、お釈迦様が入滅された後の「密教』を含む『大乗仏教』で、地域によって微妙に違うようです。
『クラウドアトラス 』では、フランスの哲学者ミシェル・フーコーやカントの思想を六道輪廻という容器に入れて極上のエンタメに仕上げています。

こういった概念の入口の扉が、我々がもっとも身近に体験しているのがデジャヴではないでしょうか?科学では説明のつかないデジャヴへの道標が『クラウドアトラス(雲の地図) 』です。

『クラウドアトラス 』を手に人生の旅に出るのは、鑑賞した私たちなのです。
人生とはカレンダーです。大切なのはカレンダーをめくる私たちのあり方です。

「悪い行い、善い行い、すべて未来につながる」・・・ソンミ451は死を前にして、私たちに言い残します。

人工知能に描けない作品『クラウド アトラス』

クラウド アトラス』(原題:Cloud Atlas)は、2004年に発表されたデイヴィッド・ミッチェルの小説『クラウド・アトラス』を2012年に映画化した作品。映画化は不可能と言われていたが、デイヴィッド・ミッチェル自身がウォシャウスキー姉妹と共同で脚本化に参加したことから始まった。
監督は『マトリックス』のウォシャウスキー姉妹が1849年、2144年、2321年の物語を担当。トム・ティクヴァ監督が1936年、1973年、2012年の物語を担当していると、聞くだけで内容の壮大さが伺い知れる。

トム・ティクヴァ監督はラップを効果的に使った『ラン・ローラ・ラン』、『ザ・バンク 堕ちた巨像 (The International 』などヒット作を監督。『マトリックス レザレクションズ (The Matrix Resurrections)では音楽を担当している。

映画『クラウド アトラス』長&超 予告編【HD】 2013年3月15日公開

ネタバレあらすじ

物語は19世紀から24世紀まで、文明崩壊後に至る6つのエピソードが時空を越えて、ランダムかつシンクロさせながらグランドホテル形式で進行する。
主演級スターが「因果関係」で多様なメーキャップで複数の役柄を、時空を超えて演じている。
六道輪廻の思想を因(原因)があって果(結果)がある縁起の世界で表現してみせる。一度の鑑賞では理解できないがキーワードとなるセリフが複数あり、何度も使用されます。

隻眼の老人ザックリー(トム・ハンクス)が、自身の時空を超えた数奇な物語を語るところから始まる。

1849年

1849年、米国の弁護士アダム・ユーイング(ジム・スタージェス)は奴隷貿易で成功している義理の父(ムーア)の代理で契約の旅に就く。南洋で奴隷貿易の契約を終え、医師グース(ハンクス)と共に帰国の航海に就く。船中で、密航していた脱走奴隷オトゥア(デヴィッド・ジャーシー)に出会い助けを乞われる。一旦は断ったものの懸命の懇願を続けるので、「なぜ君と僕が友達になれる?」と尋ねたところ、「目でわかる」と返され助ける。その後、ユーイングは船に積み込まれた契約金を狙うグースに毒を盛られ死の寸前でオトゥアに救われたことを契機に考えを改め、奴隷商人の義父ハスケル(ヒューゴ・ウィーヴィング)と決別し、妻ティルダ(ペ・ドゥナ)と共に奴隷解放運動へ身を投じる。(但し映画はこのエピソードを分割して見せる)

1936年

1936年、音楽を志す英国のゲイの青年ロバート・フロビシャー(ベン・ウィショー)は、恋人のルーファス・シックススミスと離れて、往年の大作曲家エアズ(ジム・ブロードベント)の下で採譜係として弟子入りする。彼はユーイングの航海日記を愛読しながら自分の交響曲を作曲していたが、曲と自分の自由を奪おうとしたエアズを手違いから銃で撃ってしまったため逃亡生活を送ることになる。フロビシャーはビビアン・エアズのアイデアを元に『クラウド・アトラス六重奏』を完成させた後、手紙を書き続けていた恋人シックススミス(ジェームズ・ダーシー)に遺書を残し、来世に思いを馳せ、シックススミスと幸福な時代を生きられることを信じて拳銃自殺する。

1973年

その42年後の1973年、自殺したフロビシャーの恋人のルーファス・シックススミス(42年後)は米国で物理学者となり、フックス(ヒュー・グラント)らが進める原子力発電所計画に従事していた。シックススミスはジャーナリストのルイサ・レイ(ハル・ベリー)と偶然にエレベーター内で遭遇。原発の欠陥を告発するためにルイサに報告書を託そうとするが、原発事故を望む石油マネーが雇った殺し屋ビル(ウィービング)に射殺される。口封じにルイサも命を狙われるが、ルイサの亡父の戦友ネピア(キース・デイヴィッド)と共に殺し屋と対峙。最後にはシックススミスの姪メーガンの協力により報告書は公開され、真実が明らかになる。

2012年

その39年後の2012年の英国。編集者ティモシー・カベンディッシュ(ブロードベント)に出版を依頼していた作家ダーモット(ハンクス)は目の敵にしていた批評家をパーティの最中に殺害して時の人となり、原稿の『ルイサ・レイ事件』はベストセラーになる。ダーモットの出版元であったカベンディッシュは大儲けするが、ダーモットの舎弟たちに恐喝され富裕な兄デニー(グラント)に助けを求める。
面倒だと感じたデニーに騙され収容所同然の老人介護施設に入所させられる。カベンディッシュは入居している老人たちと計画を立て、凶暴な看護師ノークス(ウィーヴィング)たちに立ち向かい施設から脱走する。そして自伝小説『カヴェンディッシュの大脱走』を執筆して、青春時代の恋人アーシュラ(スーザン・サランドン)と愛に満ちた余生を過ごす。

2144年

それから132年後の2144年。統一国家によって、言論の自由が奪われ、完全統制社会となっている未来。遺伝子操作で作られたクローン人間たちが人間(純血種)に支配され、労働力として酷使されていた。
ネオソウルで給仕係をしていたクローンであるソンミ451は、あるとき純血種の映画(『カヴェンディッシュの大脱走』)を見て自分の境遇に疑問を抱く。革命家へジュ・チャン(スタージェス)に救出されたソンミ451は、解放されたはずのクローン人間の仲間たちが殺されクローンの食事として共食いにされている実態を知らされる。革命軍は放送施設を占拠、ソンミは全世界に向けて演説を行う。同時に革命軍は政府軍の強襲を受け、チャンと仲間は戦死。捕らえられたソンミも、統一政府から派遣された官僚の尋問に真実とチャンへの愛を語ったあと、処刑される。

官僚の尋問に答えるソンミの場面は重要なセリフとともに、6つのエピソードのクライマックスが雪崩のように次々と映し出されるので、感動必至です。

2321年

その177年後の2321年。文明の崩壊した地球。
ある島では島民たちは凶悪な人食い族に怯えながら、女神ソンミを崇め、素朴な生活を送っていた。島の住民ザックリー(ハンクス)は彼の心の闇の部分であるオールド・ジョージー(ウィーヴィング)に悩まされ続け村でも孤立していた。

ある日、「昔の人」の技術を持つプレシエント族の女性メロニム(ベリー)が、人々が恐れる「悪魔の山」へのガイドを探して村にやってくる。
ザックリーは過去の様々な魂の記憶を夢に見て巫女アベス(サランドン)から三つの啓示を賜る。最初の啓示によってメロニムと共に人喰い族から逃れたたザックリーは、姪の命を救ってもらう代りにガイドを引き受ける。二つ目の啓示によってオールド・ジョージーの囁きに打ち勝ってメロニムの命を救い、無事に山頂にたどり着く。メロニムは山頂の宇宙港から地球外コロニーへの救難信号を送信する。汚染により地球人類は滅びかけていたのだ。ザックリーが信じる宗教では、悪魔の山に行くことや、お告げを破ることはタブー。しかし、本当にお告げを信じることが正義なのか、生き延びるためには何をするべきか葛藤して、三つ目の啓示は守らなかった。山から戻ると村は人食い族の襲撃により全滅しており、ザックリーは窮地に陥るが、メロニムの銃に助けられて生き延び、唯一助かった姪とともにプレシエント族の施設に移住する。

エピローグ(2346年)

2346年、映画冒頭の老いたザックリーに戻っている。
沢山の子供たちに囲まれて語るザックリー、舞台は地球から遠く離れた惑星。
因果のサイクルから引いた場所での会話です。
子供たちから「おばあちゃんを愛しているの?」と問われると・・・・
共に老いたザックリーとメロニムが寄り添う姿で2時間52分の映画は閉じられる。
映画は6つのエピソードを縦横に切って見せてくれます。

愛こそはウォシャウスキー姉妹の一貫したテーマなのです。

デジャヴの達人

『クラウド アトラス』(原題:Cloud Atlas)は主にドイツで製作されていますが、18世紀のドイツにはデジャブを日課にした哲学の巨人、イマヌエル・カントがいます。カントは『マトリックス』の下敷きになった四聖(孔子・釈迦・ソクラテス・カント)のひとり、ソクラテスと並ぶひとりです。カントは朝食、散歩、思索などすべてを毎日決まった時刻に行動すること、時間厳守を自身の自由と考えて行動した人。デジャヴの達人です。

カントは、この世の事象は自然の因果に流されている。岩が川を流れて転がっていくと、ゴツゴツがとれて丸くなるように人間も感情や欲望に流されながら変化しながら転がっていくというものです。(その極致が大乗仏教の唱える「六道輪廻」です)。

次の図の言葉も「クラウドアトラス」で何度も使われます。(=「犯罪者の餌食になってたまるか」)これを因果と合わせて考えてみましょう。カントが因果のサイクルから離れるために自らデジャヴを選んだ意味が見えてきませんか。

クラウドアトラスを理解するカントの言葉

因果のサイクルから身を引いた生き方をする

因果には必ず因がある。不倫するのも、配偶者では満たされない原因があってのこと。

カントは、ならば因果の法則から離れて見たらどうかという。
不倫の苦悩の裏には良心の声もある。内面から聴こえる良心によって、欲望や感情をはねつけたらどうかというのです。一見優等生の答えのようですが、本当に言いたいのは、その良心が保身、自己愛、損得なら偽りの道徳でしかないのなら役に立たないという点がツボなのです。
利己的な良心ではなく、自分自身を尊重するものでなければならないというのです。

自分自身を尊重する良心なら、他人の目や世間の評価は関係なくなります。
世間体を気にしてやりたいことを思うようにやれないことはなくなります。
不倫のススメをしているのではなく、不倫に走るような因果から離れるということです。
カントが毎日デジャヴ暮らしを続けたのは、因果から離れて真に自由人になるためだったのです。因果に惑わされない習慣をデジャヴ暮らしで身につけようとしたのです。

因果には流れのように傾向性がある。つまり傾向の先にいずれ自分も因果の流れから脱却できなくなる。仏教は因果からの脱却を「解脱(げだつ)」として尊びました。
カントがデジャヴが自由だとしたのは、因果から引いて因果の仕組みを眺めて生きたからです。本当に自由に生きるためのデジャヴです。

視点が入れば真実ではない。

視点が入れば真実ではない

『クラウドアトラス』では、劇中、処刑前のソンミが言います。

視点が入れば真実ではない。真実は唯一無二。

般若心経では「般若の智慧」とは、禅の言葉「放下著」(ほうげじゃく)だといいます。 「放下著」(ほうげじゃく) いっさいを捨て去るとすべてが生きかえる。つまり自分を捨てたら真実が見えるということです。

フランスの哲学者ミシェル・フーコーは、他人の目を気にして自分らしく生きられない。これは自分勝手なふるまいをすることではなく、「同調圧力に屈して自分の人生を他者に明け渡すな」という警告です。同調圧力を感じてしまう「権力装置」を作り出している世界に気をつけろというメッセージです。『マトリックス』の世界が見えてきますね。
ソンミを描いた”2144年”の物語は『マトリックス』に通じていて、『マトリックス』以上の衝撃的な世界が描かれています。

NEO

フーコーは、監獄に入れられた人間は常に権力者のまなざしにより監視され、従順な身体であることを強要されている。功利主義者として知られるベンサムが最小限の監視費用で犯罪者の更生を実現するための装置として考案したのが、パノプティコン(一望監視施設)と呼ばれる刑務所である。さらに近代が生み出した軍隊、監獄、学校、工場、病院は、規則を内面化した従順な身体を造り出す装置として同一の原理に基づいていることを指摘した。これはすべての人々に届けようとしたフーコーの言葉です。

「あなたは何を欲しているのですか?」イラン滞在の間、私は「革命」という言葉が口にされるのを一度も聞かなかった。五回のうち四回までは「イスラームの統治」という回答だった。これは驚くことではなかった。(ミシェル・フーコー)

他人の目を気にせず自分らしく生きる

クラウドアトラス

上記のミシェル・フーコーの言葉と裏腹に、近年はSDGsの浸透と共に「他人の目を気にせず自分らしく生きる」が増加傾向するにあります。

監督を担当したワシャウスキー姉妹は『マトリックス』3部作、『ジュピター・アセンディング』『スピード・レーサー』『クラウドアトラス』で行動を共にしてきました。
しかし2021年の『マトリックス レザレクションズ』では、リリーは不参加を決めました。代わって『クラウドアトラス』で共同監督を務めたデイヴィッド・ミッチェルが入りました。

リリーは、テレビ批評家協会のオンラインイベントで実施された、彼女が携わっているShowtimeの番組『Work In Progress』についてのインタビュー(Entertainment Weekly掲載)で、不参加について、次のように詳しく語っています。

「性転換後、『クラウドアトラス』『ジュピター・アセンディング』、そして『センス8』の第1シーズンを立て続けに制作していたので、すっかり疲れてしまい・・・。1つのプロジェクトにつき100日以上の撮影を3回繰り返したわけですから、自分もダメになります。だから、この業界から離れる時間が必要でした。アーティストとしての自分を取り戻りたくて、学校に戻って絵を描いたりして過ごしていました」と告白しています。

この仕事より自分を優先する態度は、近年スポーツ界で当たり前のようになってきています。ライフデザイン、ライフシフトの自由と責任を全うする生き方がフツーになってきたようです。

まとめ

クラウドアトラスを理解するフーコーの言葉

クラウドアトラス』は、『マトリックス』を掘り下げたような映画です。
見えない他者を気にして「同調圧力」で自分を自縄自縛するように仕組まれたメカニズムからの脱却を訴えています。ウォシャウスキー姉妹が身をもって示したように、1984年に亡くなったミシェル・フーコーは「懸命になって『ゲイ』になれ」と訴えました。決してゲイのすすめではなく、社会の枠組みに自ら自分を閉じ込めるなという意味です。
それが2022年の現在、どうでしょう。次々と常識が覆り、同性婚が世界に広がり、自分を尊重する生き方が認められるようになりました。

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