画狂老人卍・北斎、いまここで、未来から過去を変える祭

くらしデザイン
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東京五輪に合わせて六本木の東京ミッドタウン・ホールにて開催中の特別展「北斎/HOKUSAI 2020」もあと3日。8月30日までなので、東京の方は青い波に包まれる至福をお楽しみください。

ゲンキポリタンでは、北斎先生に学んで「今ここで、未来から過去を変える祭」を開催中です。

過去は終わっているから変えられないわ

常識の嘘に騙されてはいけません。過去は変えられるんです!

「過去は変えられる」宇宙の法則

72歳のヒット作『冨嶽三十六景』などでお馴染み江戸時代の浮世絵版画家、葛飾北斎は、生涯で30回名前を変えています。75歳のとき、弟子を呼び寄せ、今日から北斎と呼ぶなと唐突に言います。
今日から新しいいのちを生きるので「画狂老人卍」と呼べと伝えます。

弟子はすでに有名な北斎の名を捨てるとは気でも狂われたか?と反発しますが、北斎は意に介さず、「狂った、狂った、狂ったわ」と笑い飛ばします。

6歳から絵をかきはじめたが、「70歳までのものは納得できるものではない」と75歳にして、過去を変えるチャレンジを始めます。
北斎先生、『冨嶽三十六景』に至るまで、3万点に上ると言われる作品群は挿絵、浮世絵、春画など注文に応じるままに描いたものがほとんど。72歳のときに描いた「冨嶽三十六景」で唯一無二の版画家として成功した北斎は、果たせなかった夢を現実にするために75歳にして、一点ものの肉筆画に転向します。

過去・現在・未来。

過去は変えられない。未来は解らない。一般にそう思い込んでいます。

しかし、常識の嘘にハマった判断です。北斎先生が笑い飛ばしたように、真実は違います。

「いま」の使い方で「未来は作れます。」

未来には過去を変える力があります。未来のあり方で過去の意味は変わってしまうからです。

つまり「いま」は未来を使うことで、過去を変えることができるのね。

未来から過去を変える北斎、最後の戦い

北斎先生、100歳で神の手になると予言して、「画狂老人卍」と名を変えて、日常生活は省みず家は荒れ放題、過去を変える勢いで狂ったように絵に没頭します。

いま、ここ、この瞬間のあり方で人は未来を作り、過去を塗り替えることができることを体現します。75歳から90歳でいのち絶えるまでの間に北斎が描いた絵は「自らの人生」だったといえるのではないでしょうか。

100歳まであと10年、90歳で絶命するときに、
「もう10年……いや、5年生きられたら本物の画家になれただろう」という言葉を最期に、
90歳で「悔しいーッ」と言い放って死んでいく人生に年齢はありません。
まことに尻尾の先の先まで濃厚な人生です。

蟹づくし、真心づくし

北斎晩年の作品。「蟹づくし」では、蟹が大小100匹以上描かれています。
一匹、一匹、表情が違います。年を取ると根気がなくなってきますが、細やかさは増しています。

この世界には常識の嘘が満ちていて、なにをするにしても反対意見が怒涛のように押し寄せますが、それ以上に始末の悪いステレオタイプの意見が溢れて、訳ありな若者を挫くことに注意が必要です。北斎先生の行動は奇行に見えますが、お釈迦様の言葉『随処に主となれば、立処皆真なり』に忠実です。

随処に主となれば、立処皆真なり』とは、「いつ、どんなところに置かれても、常に主体性を失わず、自分自身の本分を尽くして事にのぞめば、自分の立っている世界がすべて真実のものとして開かれてくるという意味。「自灯明、法灯明」と併せて、大切な言葉です。
自灯明、法灯明」とは、お釈迦様の遺言です。
ただ誰かから聞いたからといって、それを信じるな。
何代も受け継がれたからといって、その伝統を信じるな。
たくさんの人の間で語られ、噂になったからといって、それを信じるな。
あなたが所属する宗教の聖典に書かれているからといって、それを信じるな。
ただ貴方の先生や先輩の権威だからといって、それを信じるな。

しかし、観察と分析を行なった上で道理に合っていて、すべての者の利益になると貴方がわかったならば、それを信じなさい。

犀の角のようにただ独り歩め。」同じくブッダの言葉です。

目的と目標の違い

目標と目的は似ていますが、異なるものです。

成長が止まってしまう会社には目標があるけれど、目的が曖昧です。目標は数値化できますが、目的はなんのためにやっているのか、哲学的なものである場合が少なくありません。

たとえばダイエットは目的と目標を取り違えやすいテーマです。健康になるというのが目的であっても、数値化することで、間違ったゴールをめざしてしまいます。体重を落とすことに夢中になって健康を害することだって起こります。

恋愛も同じようなリスクがあります。愛されているかどうかが気になりだすと競争的になって自分が連絡するより相手に連絡させることが重要になり、わざと連絡しないというようなことが起こってきます。どうでもいいことが重要になると関係性はどんどん悪くなってきます。

般若心経に「無死」と言う言葉があります。
その意味は、死ぬことは自然に任せて、生死を超えて自身に正直に生きることです。生活のための版画をやめ、80歳になった北斎が、画狂老人卍と名前を変えてあばら屋で、人と会わず、あっても挨拶もせず、一切の娯楽とも縁を切り、ただひたすら肉筆画に打ち込む姿は目的のみに生きる姿です。

年を取っただけでは老いない

88歳の北斎が、いま、ここ、この瞬間に集中して描いた肉筆画の到達点「雷神図」。

年をとっただけでは人は老いないのです。裏返せば年をとらなくても人は老いるのです。
自分の自由を守るためにライフプラン、ファイナンシャルプランは、目安にする数値として必要ですが、決して目的にはならないし、してはいけないものです。
目の前の人生200年時代は図らずも生産者の顔が見える時代です。好きなことをして稼ぐのではなく、好きなことでしか稼げないのです。

「その夢を失くして、生きてゆけるかどうかで考えなさい」と人生を指南したゲーテは70歳を超えて15歳の少女にプロポーズして、失恋します。

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まとめ

過去の失敗がトラウマになって挑戦に尻込みしてしまう。
トラウマに負けてしまうことってありますよね。そんなときに、ステレオタイプの知ったかぶりを疑ってください。
未来は、いまここで作れます。未来から過去は書き換えられます。

お釈迦様は四苦八苦からの根本解放をめざして修行されました。
すべては四苦八苦から始まっているのです。

年末に打つ鐘の回数は108、煩悩の数です。
(4×9)+(8×9)=108 つまり煩悩の数です。

もうひとつ、宇宙の方程式をご紹介しておきます。

6×3(良い・悪い・中道)×2(浄・染)×3(過去・現在・未来)=108

いまここで、まだ色のついていないこの瞬間を使って、すでに汚れ・滲みで、染まってしまった過去を洗い流すことができるってワクワクしませんか?

阿頼耶識とは
唯識では、八識が世界を生み出しいると説いています。唯識思想では、感覚、思い、言葉は深層心から表層に現れると解いています。阿頼耶識に良いも悪いもありません。ネガティブな感覚、思い、言葉を表層心から発信すれば阿頼耶識に蓄えられます。表層心にある六識との協働でネガティブな記憶が強くなってしまいます。
正聞熏習(しょうもんくんじゅう)とは
「正聞熏習(しょうもんくんじゅう)」とは、正しい教えを繰り返し聞いて、阿頼耶識(あらやしき)にある無漏(むろ)の種子(しゅうじ)を成熟させるために、薫習していくことです。 「正聞熏習」は、釈尊が直々に説かた原始仏教から「聞法」と言われて、重要な修行法の一つとして説かれてきた方法です。
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